今村昌平監督もスリムがお好き?
今村昌平監督の最新作「うなぎ」の試写会を見に行った。前作の「黒い雨」から8年、満を持して の作品とあってワクワクしながら席につく。「黒い雨」の2年前が「女衒」、これに私が出演させて もらったのだから、監督との出逢いはかれこれ10年前ということになる。 今村監督はこれまで「人間の性」をテーマに欲望をむき出しにしたエネルギッシュな人物を描いてきたが 、今回はその役どころを脇役にまわし、主人公山下には内に閉じこもる静かな男を演じさせている。 隅々まで行き渡った丁寧な演出は十分見もので、役所広司さんは話題の「失楽園」での疲れ切った サラリーマン役よりも数倍素敵だった。
今村監督は無口でカリスマ性があり、私の最も尊敬する監督だ。10年前「女衒」に出演が決まり天 にも昇る気持で、監督のお宅へ伺った時のこと。
紅「監督、どうして私を選んでくださったのですか」
監督「ウン、この間のお芝居で君のセリフがはっきり聞き取れたから」
紅「あのー、セリフがはっきりしすぎていて、逆にリアリティがないと言われるんですが・・・・。 監督にとってのリアリティってなんですか?」
監督「君がそこに存在することがリアリティ。セリフがはっきりしているのは役者の条件じゃない ですか」と答えてくださった。