幸不幸はちょっとしたきっかけ。長い間有難うの巻
最近地方の仕事でご一緒した宮崎緑さんに誘っていただいて、話題の映画「タイタニック」の試写を見に行った。会場となった国際フォーラムAホールは、何だか殺気だったギャルたちの長蛇の列ができていた。一般のお客様に混じって、芸能人の顔も多い。数列前に談志師匠がいらしたので、声をかけると、「オレは、65歳で死ぬことにしたからな」といつものらしい言葉が返ってきたので、ご病気も全快のようだと、ホッと胸をなでおろした。
とこうするうち、会場は暗くなり、どこからともなく拍手が巻起こった。上流階級の娘ローズと貧乏画家ジャックの、身分を越えた許されざる恋。豪華客船沈没の大悲劇を背景に、若い二人の恋心は激しく燃え上がるが・・・・。「ジャック、ジャック」と叫ぶ声も哀れな結末に、会場のあちらこちらからすすり泣く声が聞こえてきた。出演者名が出始めたので席を立とうとすると、隣りの緑さんが「チョット待って、私こういうの弱いの」とさかんにハンカチで目頭をぬぐっていらっしゃる。その後行った赤坂の店でも「レオナルド・ディカプリオって、いいわね!」と、ずっとウットリ状態。「ねえ緑さん。映画にそれだけ感動できるなら、ぜひ私の参加している、日刊スポーツ映画大賞の審査員になってよ」と、勝手にお願いした。
日刊スポーツ映画大賞は今年第10回を迎えた。この賞の審査員を第1回から務めさせてもらっているのだが、映画好きの私としては趣味と実益を兼ねた有り難いお役目である。審査員は全部で19人で内女性審査員は5人だけ。実際に映画館に足を運んでいるのは女性客が多いのだから、審査員も女性を増やすべきだろう。で、宮崎緑さんを推薦します。
10回審査しての感想は、「賞を取る取らないは、時の運だ」ということ。ちょっとした推しや、成り行きで、賞の行方が変わることがある。幸不幸の境目はわずかなきっかけにしか過ぎないのだ。
さて、幸せなきっかけで連載をさせていただいた、このコーナーも今回で終わりです。ご迷惑をおかけした方ゴメンなさい、読んでくださった方本当に有難う、そして小沢象さんイラストお世話になりました。